不適切にもほどがあるつまらない派と面白い派の評価が分かれる理由

ドラマ「不適切にもほどがある！」は、昭和と令和の価値観の違いを描いたタイムスリップコメディとして大きな話題を集めました。

放送中はSNSでトレンド入りし、「ふてほど」という略称が流行語大賞になった作品としても注目されました。しかし、その一方で「つまらない」「期待外れだった」といったつまらない批判の声も多く、視聴者の間で評価が大きく分かれています。

なぜこのドラマは賛否が分かれるのでしょうか？

この記事では、「不適切にもほどがあるつまらない」と検索している方に向けて、作品の評価や批判の理由を詳しく解説していきます。

記事のポイント

つまらないと言われる理由
昭和と令和の価値観の違い
ミュージカル演出の賛否
炎上や謝罪の影響

不適切にもほどがあるつまらないと言われる理由

「不適切にもほどがある」批判が集まる背景
炎上・謝罪の影響は？問題のシーンとは
炎上する理由は注目されている証拠？賛否両論の反応
視聴率は好調？「つまらない」意見とのギャップ

「不適切にもほどがある」批判が集まる背景

「不適切にもほどがある！」は、昭和と令和の価値観の違いをテーマにしたタイムスリップコメディですが、放送開始直後から批判が相次ぎました。

昭和の価値観を肯定的に描いていると受け取られた

本作では、昭和時代のスパルタ教育やハラスメント発言が多く登場します。特に第1話での「痴漢してくださいって言ってるようなもんだ」というセリフは、性被害に対する意識が低いと批判されました。

また、「頑張れ」と言うことがパワハラとされる令和社会を皮肉る場面もあり、「昔のほうが良かった」という価値観を押し付けていると感じる視聴者もいました。

ミュージカル演出がテーマと合わない

ミュージカルシーンが挿入される点も、賛否を呼びました。「テーマを伝えやすい」と評価する声がある一方で、「シリアスなシーンの後に突然歌うのは違和感がある」「ドラマの雰囲気が壊れる」と批判されています。

このように、「不適切にもほどがある！」は、過去の価値観の扱い方や演出が視聴者によって異なる解釈を生み、議論の的となりました。しかし、それだけ多くの人が関心を持ち、社会問題を考えるきっかけになっているとも言えるでしょう。

炎上・謝罪の影響は？問題のシーンとは

「不適切にもほどがある！」は、そのタイトル通り、挑戦的なテーマや演出が多く、放送開始からたびたび議論を巻き起こしてきました。中でも大きな炎上を引き起こしたのが、第5話の放送内容です。

この回で描かれたあるシーンが、「危険行為を助長するのではないか」と批判され、TBSが公式に謝罪する事態となりました。

① 問題となったシーンとは？

炎上のきっかけとなったのは、在宅酸素療法を受けている患者のそばでタバコに火をつけるシーンです。

作中では、主人公の小川市郎（阿部サダヲ）が、心臓手術を受けた犬島ゆずる（古田新太）とホテルのラウンジで対面し、何気なくタバコを吸おうとします。

しかし、酸素吸入中に火気を使用することは火災や爆発の危険があり、厳禁とされています。このシーンが放送されると、「安全意識が低すぎる」「視聴者に誤った認識を与える」と批判が殺到しました。

② TBSの謝罪と視聴者の反応

この騒動を受けて、TBSは公式サイトに謝罪文を掲載しました。その中で、「酸素吸入中の火気使用は厳禁であり、誤解を招く表現となりました」と説明し、視聴者に向けて謝罪しました。

③ 炎上が示す「時代の変化」

この炎上は、「不適切にもほどがある！」という作品のテーマとも関係しています。

昭和の価値観をそのまま令和の社会に持ち込むという演出が、この作品の特徴ですが、コンプライアンスや安全意識が厳しくなった現代では、そのままの形で描くことが問題視されるケースも増えています。

今回の騒動は、単なる演出の問題ではなく、「テレビで表現する内容の線引き」が問われる出来事となりました。

炎上する理由は注目されている証拠？賛否両論の反応

「不適切にもほどがある！」は、放送のたびにSNSで話題になり、何度も炎上しています。しかし、それは作品への関心の高さを示しているとも言えます。では、なぜこのドラマは繰り返し議論の的になっているのでしょうか？

挑戦的なテーマが賛否を生む

本作は、昭和と令和の価値観の違いをテーマにしています。昭和時代のスパルタ教育や、現代ではハラスメントと取られる発言がそのまま描かれているため、「過去の価値観を肯定しているのでは？」と批判されることがあります。

一方で、「あえて問題提起をしている」「社会の変化を風刺している」という評価もあり、意見が分かれています。

今後の影響

炎上が続くことで、作品の知名度は確実に上がりました。しかし、視聴者の価値観と制作者の意図がズレると、さらなる批判を招く可能性もあります。

今後、似たテーマの作品がどのように作られるのか、テレビ業界全体の動向にも影響を与えるかもしれません。

視聴率は好調？「つまらない」意見とのギャップ

「不適切にもほどがある！」は、SNS上では「つまらない」「見るのをやめた」といった批判的な声も見られます。しかし、実際の視聴率は安定しており、他の同時間帯のドラマと比較しても高い水準を維持していました。このギャップはなぜ生じたのでしょうか？

視聴率の推移を確認

まず、本作の視聴率を見てみましょう。

話数	視聴率（％）
第1話	7.6%
第2話	7.1%
第3話	7.1%
第4話	6.7%
第5話	8.3%
第6話	8.3%
第7話	6.9%
第8話	6.8%
第9話	7.4%
最終話	7.9%
平均	7.4%

ビデオリサーチ社調べ・関東地区

全話を通して7％台を維持し、第5話と第6話は8.3％と最高視聴率を記録しました。放送開始時の勢いを大きく落とすことなく、最終話でも7.9％と安定した結果となっています。

では、同時間帯に放送された他のドラマと比較するとどうでしょうか？

2024年1月期 22時台ドラマの平均視聴率ランキング

順位	ドラマタイトル	平均視聴率（％）
1位	となりのナースエイド	7.7%
2位	不適切にもほどがある！	7.4%
3位	新空港占拠	6.5%
4位	Eye Love You	5.9%
5位	春になったら	5.7%
6位	大奥	4.8%
7位	婚活1000本ノック	2.8%

ビデオリサーチ社調べ・関東地区

「不適切にもほどがある！」は、2024年1月期の22時台ドラマの中で 2位という好成績を記録しました。現在のテレビ視聴率が全体的に低下している状況を考慮すると、7.4％という数字は決して低いものではなく、むしろ高い水準と言えます。

視聴率が高いのに「つまらない」と言われる理由

SNSでは「つまらない」といった意見が目立つ一方で、視聴率は安定しています。このギャップはなぜ生まれたのでしょうか？

① 話題性が高いため、批判的な意見も目立つ

コンプライアンスやハラスメントなどの、テーマは賛否を生みやすく、SNSでは「不適切な発言が多い」「昭和を美化しすぎ」といった批判の声が出やすくなります。

しかし、こうした議論が巻き起こることで「どんな内容なのか気になる」と感じる人も多く、結果として視聴率を押し上げる要因となっているのかもしれません。

② 炎上による注目度の向上

炎上騒動が発生すると、SNSやニュースで取り上げられる機会が増え、「話題になっているから見てみよう」という視聴者を引きつけることになります。そのため、視聴率が伸びることがあるのです。

③ SNSの声と視聴者層の違い

SNSでの評価と、実際の視聴者層が異なることもギャップの要因の一つです。SNSでは、特に若い世代の意見が多く見られます。

しかし、本作の視聴者には40～50代の昭和世代も多く含まれており、彼らの意見はあまりSNSには反映されません。そのため、SNSでは否定的な意見が目立つ一方で、テレビの視聴率としては一定の支持を集めているという状況が生まれています。

「つまらない」と言われても視聴率が安定していた理由

「不適切にもほどがある！」は、賛否両論が巻き起こる作品でありながらも、視聴率は安定していました。その理由として、以下の3点が挙げられます。

炎上や社会的な議論が関心を集め、視聴者を引きつけた
SNSのネガティブな意見が目立つものの、昭和世代を中心に一定の支持を得ていた
ミュージカル演出やコメディ要素など、独自の作風がハマる層が存在した

このように、批判がある一方で根強い人気があったことが、視聴率の高さにつながったと考えられます。「つまらない」と感じる人がいる一方で、「面白い」「続きが気になる」と感じる人も多かったため、最終的には成功したドラマと言えるでしょう。

今後も、このような賛否両論が生まれる作品は、視聴率とSNSの評判が一致しないケースが出てくるかもしれません。しかし、「不適切にもほどがある！」のように話題性があるドラマは、批判があっても一定の視聴者を引きつけることができるということが証明されたのではないでしょうか。

不適切にもほどがあるつまらないは本当？評価を検証

50代ぐらいの日本人男性が野球の監督をしているイメージ画像 — イメージ画像：エンタメLabo作成

「不適切にもほどがある」面白いと評価する人の意見
「不適切にもほどがある」評判
まとめ

「不適切にもほどがある」面白いと評価する人の意見

「不適切にもほどがある！」は炎上や批判が取り上げられることが多い一方で、「面白い」と評価する視聴者も少なくありません。どのような点が支持されているのか、具体的に見ていきましょう。

① 昭和と令和のギャップをコミカルに描く

本作の魅力の一つは、昭和と令和の価値観の違いをユーモアたっぷりに表現している点です。主人公・小川市郎（阿部サダヲ）が1986年から2024年へタイムスリップし、現代の厳しいコンプライアンスや価値観の変化に驚く様子は、昭和世代にとっては懐かしさを感じるポイントになっています。

一方で、令和の社会が過剰に窮屈になっていることも皮肉を交えて描かれており、昭和の問題点と令和の矛盾をバランスよく示している点が評価されています。

② 宮藤官九郎の脚本によるテンポの良さ

もう一つの大きな魅力は、宮藤官九郎の独特な脚本です。「池袋ウエストゲートパーク」や「木更津キャッツアイ」など、これまでの作品と同様に、テンポの良い展開やセリフ回し、キャラクター同士の掛け合いが楽しめる点が支持されています。

特に、昭和のノリを反映したジョークやツッコミが、コメディとしての面白さを引き立てています。

③ ミュージカル演出がテーマを際立たせる

ミュージカルシーンは賛否が分かれる要素ですが、「テーマをわかりやすく伝える効果がある」と評価する声もあります。

特に、コンプライアンスや職場の問題を扱った回では、シリアスになりすぎずに視聴者に考えさせる演出として機能していました。「歌にすることで説教臭さがなくなり、軽快にメッセージを伝えられる」という意見もあり、視聴者によっては新鮮に感じられたようです。

まとめ

「不適切にもほどがある！」は、昭和と令和の価値観の違いをコミカルに描き、宮藤官九郎の脚本のテンポの良さが際立つ作品です。批判も多いですが、その独特な作風や風刺の効いたユーモアを楽しめる人にとっては、「考えさせられる面白いドラマ」として支持されているのです。

「不適切にもほどがある」評判

「不適切にもほどがある！」は放送開始以来、SNSを中心に大きな話題を集めました。その評判は賛否が分かれており、絶賛する声もあれば、厳しい意見も見られます。ここでは、良い評価と悪い評価を整理し、視聴者のリアルな声をまとめていきます。

良評

笑える、引く、気になる瞬間があり、気持ちを引っ張られる
タイムスリップものとは思わなかったが、総合的に面白い
ミュージカル要素が良かった
最初はミュージカルに抵抗があったが、進むにつれて楽しめた
昭和と令和、どちらがおかしいのか考えさせられた
クドカン作品の中でも上位に好き。楽しいだけでなく切なさもある
世代を問わず刺さる作品。「寛容になりましょう」のメッセージが響いた
コメディー要素と社会問題をうまく組み合わせていた
タイトルが気になり、普段ドラマを見ない人も視聴した
令和とは思えない「チョメチョメ」や急なミュージカルに笑った
ふざけた作品かと思いきや、価値観の変化をストレートに描いていた
現代の「嫌だな」と思うことを代弁してくれている感があった
昭和の教師のゲンコツ文化を懐かしみつつ、新鮮で楽しめた

悪評

最初は面白かったが、ミュージカル要素が不要に感じた
ミュージカルが合わず、主人公もそこまで「不適切」ではなかった
期待ほどではなかった
設定は面白いが、中盤以降はだるく、展開が長くてつまらない
血縁関係のごちゃごちゃが多すぎた
30代以上なら共感できるが、20代前半には絶賛されるほどではなかった
昭和の価値観を肯定する雰囲気が不快で、途中で見るのをやめた
序盤は面白かったが、終盤は「なんでもあり」になり、残念だった
再放送があっても見ないと思う

評判をまとめると

昭和の価値観と令和の価値観を対比させるテーマは多くの人の興味を引きましたが、見る人の価値観によって受け取り方が異なるため、「面白い」と感じるか「つまらない」と感じるかは視聴者次第のようです。

しかし、話題性の高さは確かであり、SNS上で議論を呼ぶほどの影響力があったことは間違いありません。